朝起きて、突然何かをやりたい衝動に駆られることがある。
ドキドキして、武者震いが止まらなくて、脳が全方位に力いっぱい駆け出してしまう。
残念ながら衝動を押さえ込めるほど理性が強くないので。。。

早朝出発し、電車を乗り継ぎ2時間、一日2本の路線バスに揺られて1.5時間。
まだ紅葉前の平日、しかも小雨の降る中、山道を縫うバスに乗っていたのは私一人だけ。
バスの終着点から更に山道を登ること1時間。
目的の山々のふもとに到着。
登山口には無数の古びた看板が。
頭上注意、足元注意、落石注意、熊出没注意、マムシ注意…

ここから山に入り、2つの山といくつもの沢を渡って11キロ先の目標を目指す。
日没までに抜け出すことの出来るルートを探し、ラップタイムを見積もる。
かなりギリギリの行程と分かりドキドキとワクワク。
今回も丸一日、一人も人間に出会うことの無いであろうストイックな旅の始まり。

精神の限界に近づいていく瞬間。
疲労のピークの中であと一歩を踏み出す力。
諦めるか踏ん張るか、その葛藤の連続。

この非日常の孤独な戦い、勝利した時の喜びを知るとやめられない。