50mmは10mmの夢を見るのか?

 

人間の視界に捉える景色は焦点50mmのレンズと同等と言われる。
カメラのファインダー越しの景色と肉眼とを交互に見比べると、なるほど確かに。

カメラはレンズを交換することで景色の広がりを自由に制御することが出来る。
狭い範囲をじっくり写し取る望遠レンズ。
広い世界を淡々と切り取る広角レンズ。
同じ場所に立ってカメラを構えても
レンズ一つでまったく違う世界が目の前に広がる

私が見つめているこの世界も
隣で寄り添っているあなたには
まったく違うものに映っているのかもしれない

* * * * *

Think there is no space
Think there is no mercy
地球では君の歌 言葉より優しく
輝いて届くよ 宇宙からのメッセージ
(Think of Earth /TMN )

 

 

65mm彼方の見つめる未来は

 

65mm。
人間の左目と右目の幅。
この視点の位置の違いから生まれる景色の差によって奥行きを認識する。
そしてこの差のある映像をコンピューター上で再現すると飛び出す映像の出来上がり。

この一ヶ月ほど、劇場用の飛び出す映像製作をしています。
今までに経験の無い表現方法に思いのほか悪戦苦闘。
今年はなるべく毎日家に帰って寝るように心がけていましたが3徹、4徹が当たり前の毎日に逆戻り。
頑張ってくれてるスタッフのみんなには申し訳ない。。。

* * * * *

一つの事に集中しすぎると段々と周りが見えなくなってくる。
一枚の絵を集中して描いていると目がなれて色彩、明度がおかしくなっていく様に。
一つのカットに集中して撮影していると前後のつながりが取れなくなってしまう様に。

こうして制作に没頭していると常に不安がつきまとう。
まるで片目で世界を見つめているような。
それは遠い未来が闇で覆われる中を疾走しているような。

65mm離れたところから世界を見つめる余裕を持たなければ。

 

 


[ R E T U R N ]


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